「盲盒 mang2he2(ブラインドボックス)」が中国で話題になって、はや2年ほど。つまるところは単なる箱入り玩具なのだが、今や玩具だけでなく、「猫も杓子もブラインドボックス」といった裾野の広がりを見せている。今回は、そんな中国で人気のブラインドボックスについて紹介していこう。
「盲盒」とは何ぞや?
「盲盒」という言葉自体、日本語で紹介する際には、そのまま使用している場合や英語の「Blind Box」や「Mystery Box」から「ブラインドボックス」や「ミステリーボックス」と訳している場合など、その翻訳語にもまだばらつきが見える。ただその実体は、日本人にも馴染みの深いカプセルトイ(いわゆる、ガチャガチャ)の箱入りバージョンだ。とはいえ、カプセルトイが200~300円くらいが相場なのに対し、オーソドックスなフィギュアのブラインドボックスはおよそ1000~1300円ほどと決して安くはない。1シリーズ12種類ほどで、1~2種類のレアアイテムが含まれていることが多い。購入方法は、実店舗や自動販売機の他、ネットショッピングでも購入できる。また、「盲」という字がついていることからもわかるように、箱の中にどのアイテムが入っているかは、買って、開けてみないと分からないため、実店舗でひたすら箱を揺らして中身の見当をつけようとする人、自分の欲しいアイテムを手に入れるため、1ダース大人買いする人などもいる。
とにかくなんでも「盲盒」
中国でシェア自転車などを代表とする「シェアリング」が流行った当時、とにかく何でも「シェア」をつけたサービスが登場した。なかには「シェア」というよりは「レンタル」なのでは?というものも。同様に、ブラインドボックス人気をうけて、今や「猫も杓子もブラインドボックス」といった裾野の広がりを見せている。「中身が見えない」というだけで、「盲盒」の名を冠し、消費者の目を引こうというわけだ。箱の中に入っているものも、アニメや漫画などの可愛らしさを売りにしたキャラクターフィギュアだけでなく、農村を舞台にしたベタな東北コメディドラマの登場人物をフィギュアにした商品も、先ごろ予約販売でたちまち完売になり話題になった。そのほか、文房具やコスメ、石灰の中から発掘するタイプの考古学ブラインドボックスなど多岐にわたり、ある野菜市場などは「野菜ブラインドボックス」まで売り出したほどだ。ここまでくると、もうほとんど「福袋」じゃないかという感じがしないでもない。