近、中国のネットで「ベルサイユ文学」という見るからになんだかとってもゴージャスな感じの文学が大ブレイクしている。中国新聞網が報じた。
その詳細についてはひとまず置いておいて、とりあえずは次の選択問題を見てみよう。
夫がランボルギーニを買ってくれたとしたら、どう反応する?
A.300万元(約4787万円)もするのよ。
B.ゴージャスな我が家にピッタリね!
C.色がダサいわ。ホントにセンスが悪いんだから。
もしCを選んだとしたら、「ベルサイユ文学」の神髄をしっかり理解していると言えるだろう。
「ベルサイユ文学」とは、何も中国とフランスの文学交流から生まれたコンテンツではなく、ネットユーザーたちが作りあげた文体の一種。ある恋愛作家が微博(ウェイボー)で使い、盛り上げたことから、中国のネットで大ブレイクしている。
「ベルサイユ文学」は主にSNS、特に微信(WeChat)のモーメンツで頻繁に使われている。何気なくその裕福さを露呈してみせたり、遠まわしに自慢したり、それとなくブルジョアな生活を見せつけたりするのがその最大の特徴。つつましく、平凡に見える投稿内容から見え隠れするのは、「別にしたくてしているんじゃなくて、ただ、本当にこんなに裕福(またはイケメン、美しい、すごい)だけなのよ」という思いだ。
人気テレビ番組司会者の何炅(ホー・ジョン)は、「ベルサイユ文学」について、「最もつつましい言葉で、最も派手に自慢すること」と総括している。
「ベルサイユ文学」の発案者である微博のブロガー「小奶球」は取材に対して、「18世紀末のフランスベルサイユ宮殿の貴族を描いた日本の漫画『ベルサイユのばら』からインスピレーションを得た。『ベルサイユ文学』という言葉で、つつましい言葉遣いながら、自分は他の人より優れているという気持ちを表現する人々を皮肉りたかった」と説明する。