【北京=永井央紀】中国の李克強首相は16日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕に合わせ
て記者会見した。減速が続く中国経済について、規制緩和や減税などによって企業活動を活性化させ、景気を
下支えする方針を説明。「中国経済のハードランディングはあり得ない」と述べ、安定成長の実現に自信を示し
た。
閉幕式を終えて記者会見する李克強首相(16日午前、北京の人民大会堂)=写真 小高顕
李首相は中国経済に下方圧力が強まっていると認めつつも「長期的にはよい方向に進むと強い自信を持って
いる」と強調。2020年までの5カ年計画に掲げた年6.5%以上の成長率目標の達成に自信を示した。
景気の下支え策としては「減税や規制緩和など供給側(サイド)の改革によって市場の活力を開放する」と説
明。数多くの政策手段を用意できているとし「強い景気刺激」に頼らなくても景気を安定させることができるとの
認識を示した。
最近の金融市場の混乱や金融機関の不良債権の増加についても「リスクを制御する能力がある」と強調し
た。そのうえで「市場にどのような変動が生じようとも、多層的な資本市場の発展を進める方向は揺るがない」と
訴えた。企業債務に関しては「債務を株式に転換する方式を通じ、企業の債務比率を徐々に下げる」と述べた。
深圳・香港の両証券取引所間で売買注文を取り次ぐ株式相互取引については「今年、開始をめざす」と明言。
金融市場の混乱が影響することはないとした。
11月の米大統領選については「誰が選ばれようと中米関係が前に向かって発展する大勢は変わらない」と述
べた。全人代は16日、20年までの経済・社会運営方針となる「第13次5カ年計画」などを採択し、12日間の
日程を終えて閉幕した。
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