【香港時事】中国と香港の外国為替市場が6日から春節(旧正月)の連休に入ったのに伴い、ヘッジファンドなどの投機筋が海外(オフショア)市場で人民元の売り攻勢を強めるとの観測が強まっている。
元の取引高が落ち込む期間を狙えば相場を元安方向に大きく動かせる可能性があり、元防衛を掲げる中国人民銀行(中央銀行)に対する「通貨戦争」(先物取引大手)との声もある。
3日のオフショア市場では元相場が1米ドル=6.6507元に急落。人民銀が毎営業日設定する基準値の上下2%以内に変動が制限されている本土市場との差は、1カ月ぶりの大きさまで拡大した。4日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、先物取引大手、東盛期貨の幹部は「通貨戦争が始まったようだ。ファンドが動きだした」と指摘した。
春節で中国本土は14日まで、オフショアで最大の香港市場は10日まで休場。人民銀も休みとなり、元を買い支える動きが鈍るとみられる。一方、ロンドンなど他のオフショア市場は通常の取引が続く。先の東盛期貨幹部は「香港の休場中に他のオフショア市場で(元売り)攻勢が強まる公算が大きい」と語った。
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